2014年 03月 20日
稲作に利用している水源とホタルの話
ここは、旧北房(ホクボウ)町下呰部(アザエ)地区にある
諏訪の穴という鍾乳洞です。
25年産の朝日はここの水で育ちました。
朝日の圃場だけでなく、この川下にあるおよそ3町の田んぼには
ここの水が使われます。
お届けしたことのある方もございますが、
ひとめぼれを栽培する南條弘之さんの田もこの川下にあります。
鍾乳洞を流れ出た水は、備中川とその脇の水路に流れ込みます。
さて、旧北房町はホタルの里として県内では知られて
おりますが、特にここ下呰部地区に多く生息しております。
鍾乳洞を流れる水には石灰成分が多く含まれ、それが
カワニナの殻を形成する成分にもなっているそうです。
するとカワニナが増え、それを食べるホタルも生きる
ことができます。
また、カワニナが食べるのは、岩肌に付く苔や藻です。
苔や藻が生息するには多少の窒素成分が水中に
あることと、川の流れが速すぎないこと。
実は、ホタルは清流では生きられないのです。
もちろん川が汚れすぎていてもいけません。
今では毎年初夏に私たちを楽しませてくれるホタルですが
昭和20年代後半から30年代にかけて、農薬、河川改修、
乱獲などで一時、絶滅の危機にさらされたことがあります。
ホタルの名所と言われる場所にはこうした
経緯がありました。
でもこれはほとんど全て人が招いた結果なんですね。
ホタルが生息する川の水、お米作りの一つの指標として
捉えています。