2014年 12月 10日
高温障害の対策
西日本の26年の夏は何十年かに一度の低温と日照不足でした。
ついこの間まで出穂後の高温が原因で、乳白や背白が多発
して、これから何を作付したらいいの?と農家を困らせていた
のが嘘のようです。
低温には深水である程度対応できるというのは、今年の作付で
分かりました。で、やはり今後も対応が急がれるのがこの
「高温障害」だと思われます。
品種を変えてとか、暑さに強い品種に改良してとか、いろいろ
対応策はあるかと思いますが、その一つにあるのが晩生の品種に
変えること。もしくはその地域で取れるのが一番遅い品種に。
7月~8月にかけての真夏日を避けるように出穂時期をずらして
やることが高温障害回避の一つの方法。
ただ、話はそう簡単にはいかないのが地域と密着している米作り。
周りの人と出穂時期が違う品種にして一番困ることは
水です。米の収穫時期により、水の入らない時期、水が入る時期が
変わります。そのため、地域によっては水路に水が流れてこない時期が
あり、そのタイミングで水が入る時期を迎えるイネにとっては
品質に大きく影響が出る場合があります。
これは出穂時期を変えれない一番の理由じゃないかと思います。
加えて「早場米は高く売れる」という理由。周りの農家と競うように
早く収穫するためだけに早生品種にしている人もいます。
他にも、品種による買い取り価格の差もあります。
私の町も中山間部ということもあり、早生品種が大半を占めます。
地域の輪を乱さずに、高温障害に対策を講じるには
暑さに強い新品種を導入することが進められるのも分かります。
ただ、本当にそれがいちばん良いのかどうかはまだ誰も分かりません。
今年から始めた晩生品種の自家採種。正直、朝日はこの地に
向いていません。というより順応出来ていません。
その土地になじむ米になるよう、これから育てていこうと
思っています。