斑点米を減らす方法 お米の選別 その二【特別栽培米】

肥料(主に窒素成分)を減らすこと、
畦の草刈りを丁寧に行うこと。
この二点がかなり効果の高い方法ではないだろうか。


昨日お米の選別を行った、谷さんのお米であるが
カメムシによる被害粒、いわゆる斑点米がかなり少なかった。
予防の薬をしていないにも関わらず、である。


これには早生品種にしては、という但し書きも加わる。
当地で早生品種に当たるのは、「あきたこまち」「コシヒカリ」
「ヒカリ新世紀」などであるが、中でも「あきたこまち」の
斑点米の多さには辟易することがある。
その原因として、当地では早生品種の出穂時期がカメムシの
繁殖時期と重なる場合が多い。
7月の中旬～下旬ごろから出穂が始まるが、ちょうどその頃
田んぼの畦や山際からカメムシがわいてくる。
カメムシはイネ科の実が好物らしく、柔らかく実が入り出した
イネの実に口針を指すと、その周りが黒く変色する。
それが斑点米である。

余談であるが、
この斑点米が約1,000粒に2粒あるだけで、農産物検査では2等になる。
なぜこれほどまで斑点米に厳しいのか分からないが、
少なくともこの基準により、農薬の散布回数は減らない。
2等に落ちれば一俵当たり500円～600円は安くなる。
だから高く買ってもらうために、予防として薬をまく。


今回作付を依頼しての心配事の一つに、この斑点米のことがあった。

理屈では窒素成分を減らし、堆肥など出所不明のものも入れずに
作ってもらったので、たぶん大丈夫だろうという思いもあったが
結果が出るまでは分からない。

そのため、籾をすった直後に目視にて確認してホッとした。

この三年間、化学肥料は入れず(苗を作ってもらった初年度は化学肥料を
苗土に使用)に育ててみて、斑点米を減らすには、そもそも
肥料を入れなければいいのでは、という思いが年々強くなっている。

ただ自分以外の誰かが実践しているのは知らないので、それを
確認するにも、このたびの谷さんの実践は大いに勉強になった。


もちろん、それだけが要因ではなく、日ごろから畦や田の管理を
細目にされている谷さんの手間があってこそ。

斑点米を減らす意味でも、おいしいお米を作るためにも
ぜひ肥料(主に窒素成分)を減らしてみませんか。

私が思うに、農薬より肥料(主に窒素成分)を減らすことの方に抵抗を感じる
農家が多い気がする。収量に直接関わってくるので。


さらに、余談。
予防の薬をしているのに関わらず、斑点米だらけのお米を
持ってくる農家がいる。
そうした農家は大抵、農協が言うままに肥料を振っている。
また予防のタイミングを間違っていることが多い。
除草剤についても同じだけど、タイミングが合わなければ
効果は期待できなくなる。