2015年 12月 05日
溝掘り その弐 田の四辺を掘り始める
まず前回掘った溝を確認すると、ゆったりと水が
流れているようだった。
約5m置きに点穴を掘り、水がゆっくり流れるように
地下に空気が通るように溝を掘った。
地形落差により、土中の空気の循環を促す狙いがある。
最終的には濁りは一切なく、澄んだ水が排水口へと流れ込む。
写真では見えないが、底の部分、コンクリートで作られた
排水口との間にも5cmほどの穴を掘って、流れを緩やかに
している。
今日は上の田との転換線の部分と、このちょうど真向いの畦際を掘った。
転換線の部分がいちばん空気が滞っていると予想していたが
掘るとそうでもないことに気付いた。
部分的に灰色の土が出てきたが、それほど匂いはなかった。
ここは畔の草が侵入してきていて、掘りにくかったけど、
その草の根のおかげで空気が通っているようにも思えた。
こちらは真向いの畦の様子。
畦に沿って掘ると、こんなふうにグネグネ曲ったようになった。
でもこれでいいのである。自然界には直線というものは無い。
ここも特に地表から10cm~15cmくらいまではグライ土は
散見されなかった。
同じように点穴をところどころに掘る。
水が染み出てくるところもあれば、
それほどでもないところもある。
昨年は、四月頃に慌てて溝を掘り始めたこともあり、
急いで水を流さなければ、ということしか考えになかった。
でも、よくよく考えてみれば、川だって常にオーバーフロー
しながら流れている。渓谷のような場所はともかく
備中川の流れは緩やかなのは、まさにそういうことなのだと思う。
なので、全て排水しなければ、ではなくて、土中に空気が
通ることを常に意識していなければならない。
あと、ここの田の一番の問題点は上の田の水が
流れ込んでいること。
これは入水口なのだが、上の田の暗渠から出てくる水が
水路を通って常に流れ込んでいる。
こちらの排水口の底の土は、見事にグライ土であった。
写真左下の灰色の土がグライ土という、酸欠状態の土。
こんなふうに掘り上げて放っておけば、また植物が
育つ土に戻るのである。
深めに点穴を掘り、田に流れ込まないように応急処置を
したが、根本的な解決にはならないだろう。
上の田の持ち主に相談してみようと思う。