2016年 08月 31日
収穫後四時間以内に乾燥を始める
ライスセンターに搬入後四時間以内ではない。
一般的にコンバインによる収穫後の籾は高水分(20%以上)なので
稲刈り後に速やかに穀物乾燥機(以下、乾燥機)に入れて乾燥を行う。
当店のある旧北房地域では8月末~9月5日頃に収穫された籾は
25%を超えて搬入されるものが多い。
そのため、収穫後にはより早く乾燥にとりかかる必要がある。
さて、その乾燥機で乾燥を始めるまでの時間だが、稲刈り後3~4時間
以内に行う必要がある、と言われている。
この時間以上風通りのよくない環境で放置されていると、籾自身の呼吸熱
により蒸れて品質が著しく落ちる。最悪、飯用として使えなくなる。
(実際、長時間放置したことはないので、どのような変化をするのかは
見たことはない)
当店では籾が搬入されてくると、乾燥機が空いている場合は速やかに
張り込みし乾燥を始める。
しかし、稲刈りが集中するこれからの時期、空いていない場合が増えてくる。
そういう時は、モミクーラーという機械を突き刺し、一時的に貯留する。
放っておけば熱を帯びて蒸れてくるが、この機械で風を通すことで
最長65時間貯留できる。とはいえ、乾燥機が空き次第、張り込む必要がある。
しかし、ライスセンターによっては、グレンバッグ(またはそれに代わる物)
で全体の収量が把握できるまで、そのまま放置されていたりする。
グレンバックはメッシュ加工されているが、そのままでは蒸れる。
そのライスセンターによれば四時間くらいは大丈夫とのことらしいが
搬入されてから四時間と考えているような節がある。
これは間違いだ。
正確には稲刈り後四時間以内、と言える。
二条刈り、三条刈り、四条刈りとコンバインの作業効率に差がある。
オペレーターの腕にもよるし、圃場条件にもよる。
湿田などでは、どうしても作業効率が落ちるためである。
その間、収穫された籾は狭い空間で密集した状態にある。
収穫直後から呼吸が始まり熱を帯びてくる。
乾燥機に張り込むにしろ、モミクーラーで一時貯留を行うにしろ、
搬入後ただちに行うことが望ましい。
なぜなら、途中コンバインが故障して二時間以内に稲刈りが終わる
広さなのに、一向に搬入されてこないというケースも考えられるからだ。
そんなことも想定できず、搬入後4時間くらいは大丈夫と
なぜ言えるのだろうか。
搬入されたら、乾燥機に入れて乾燥を始めるか、モミクーラー
を使い一時貯留を行うかして、速やかに籾の呼吸熱を下げるように
今後も徹底して行いたい。
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