当社は慣行栽培でもお米を作っている。
今の僕の実力では自然栽培ですべての面積を作るのは現実的ではないから。
ここでいう実力とは、作る技術と売る能力のこと。
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農作物は売れなければ作れない。
そんな当たり前のことが、僕は自分で実際に作ってみるまで腑に落ちていなかった。
慣行栽培の場合は玄米を一般ルートで卸におろせても、自然栽培玄米はそうはいかない。
これまで父親が作り上げてきたルートは使えない。
自力で一から販売ルートを作らなければならない。
それは大変なんだけど、仕事として大いにやりがいがある。
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自分が作るなら自然栽培で作る、と決めているため、正直迷いながらの毎年の慣行栽培での作付だ。
慣行栽培か自然栽培か。
農地の維持か放棄か。
もうここまて来たら、良いかわるいかの二者択一では前に進めないと、最近は思うようになってきた。
年を追うごとに耕作を止める人が増えている。
この五年でうちの作付面積が15倍近くまで増えたことがそれを物語っている。うちは一枚所有しているだけで、大半を借り受けて稲を育てている。
今意固地になって、全面積を自然栽培でしたところで、生産技術も販売ルートも無いままでは遅かれ早かれ自滅する。
慣行栽培するくらいなら放棄地にしてしまったほうがいい、とわりと最近までそう思っていた。
しかし、そうではなくて、
10年後に全て自然栽培で行うことを目標にして、今は慣行栽培ででも農地の維持を優先させる。
そのためにまず販売ルートを作り上げる。
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農作物は売れなければ作れない。
裏返せば、売れるなら作りたいだけ作ることが出来る。
良いかわるいかではない。もう、進むしかない。
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