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娘の歌は否定形 #431

「雪やこんこん」という歌を知らない人はいないだろう。

しかし、後半部分を全て否定して歌うのはうちの娘だけではないだろうか、という話。


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長男が生まれてしばらくは、娘は僕の実家から保育園まで通っていた。
車で30分ほどかけて送るため、娘と車内で歌を歌ったり、窓から見える景色のことを話したりと、なかなか濃い時間を過ごしていた。


この日もいつものように、「どんぐりコロコロ」や最近覚えた「ももたろう」の歌などを一緒に歌っていた。

いわゆる童謡も歌うが、わりと新しい歌も歌っているようで、僕が知らない歌もままあり、その都度娘に「何で知らんの?」という顔をされている。


さて、そんな娘だが「雪やこんこん」はまだうろ覚え、「北風小僧のかんたろう」は知らなかった。

歌ってやると自分も歌いたいのだろう、一緒に口ずさむようにして覚えていた。


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それは突然訪れた。

いつも夕食後に僕はコーヒーを家族の皆に煎れてあげているのだけど、その時近づいてきた娘が、「雪やこんこん」を歌い始めた。

「ゆーきやこんこん、あられやこんこん♪」

楽しそうに歌っている。

歌も終盤に差し掛かる。
後半は、犬と猫の所作の違いを日本人らしい感性で表現した素晴らしい歌詞の部分だ。

そう、犬は庭を、猫はこたつで、という場面である。


「いーぬーは、よーろこーび、にーわかーけまーわらん♪ ねーこーは、こーたーつーで、まーるくーならん♪」


うんうん。

よく覚えたなー。


って、ん?



「(まるく)ならんのかい!!」


僕は思わず三歳の娘に突っ込みをいれていた。


娘は僕の突っ込みがよほど気に入ったらしく、バカウケし、それからずっと我が家の「雪やこんこん」は犬も猫も何にもせず、ただ飼い主の人間と共に雪を眺めるという、全く別の世界観の歌になったのであった。


終わり




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by asse_everblue206 | 2018-01-10 22:22 | 思い出

有限会社安達商店 四代目のブログ 米屋で自然栽培農家でフルマラソンランナー。


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