2018年 01月 13日
30年産から春先一回耕起に戻します #434
慣行栽培では田植え時、また田植え後にもイネワラの分解が進んでいる方が何かと都合が良いからだ。
田植えや除草をしやすくするため、二年前に一度試してみたが、今年からまた春先一回起こしでやることに考え直した。
その理由は、除草を兼ねて二回代掻きを行うから。
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毎年11月頃から、急に検索が増えてくるエントリがこの二つ。
「この時期に田を起こす二つの目的」
「今年は秋起こしをやろうと考えている」
僕は2016年に、春先までに一度田を起こしてみた。
その理由は上記のエントリに書いているが、春先までイネワラを放っておくと、田植え時と除草時にイネワラが大変邪魔になっていたからだ。
その結果、あれだけ邪魔だったイネワラもそれほど邪魔ではなくなった。
春までに一度起こしておくだけでも、作業効率はだいぶ上がることが分かった。
しかし、このやり方だと、春先までに一度入るタイミングが当地ではシビアであり、ほとんど土が乾かないため難しい点、また除草においてはほとんど効果が期待できない点から新たな手段を探すことにした。
そして行きついたのが、二回代掻きというやり方。
これは、有機栽培の方などがずっと以前から行ってきたもので、特別新しいものではない。
イネワラの問題は解決し、なおかつ除草効果も期待できるやり方で、なおかつ一切の資材を必要としないため、自然栽培をする人にはお勧めの方法だ。
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重要なのは、一回目の代かきから二回目の代かきまでの期間だと思っている。
結果として、一回目の代掻きから一カ月空けて二度目の代かきをした田んぼで、一番草の勢いが弱まっていた。
一年しか試していないので、来年以降の経過を記録する必要があるけど、苗床用の田んぼが一番抑草効果があった。
予定では、全ての田んぼで一カ月間湛水を行うつもりだったが、天候や他の仕事の都合で二週間から三週間程度での湛水期間となった。
苗床に関しては、5月の連休前に一度代を掻いて、それから10日ほどは水を抜いていた期間があるが、田植えの6月上旬まで水を溜めっぱなしにしていた。
わんさか生えた草を、田植え前日に草を練り込むように(もはや浮くような草の大きさでは無かったため)代を掻いて、翌日田植えを行った。
そんな管理をした苗床用の田は、一番地上部の成長が遅かったが、後半の成長が著しく、一番収量があった。
緑の草を練り込むため、二回代掻きの効果とは別の効果があるのかもしれないけど、今期は他の田んぼでも同様に練り込むようにして試してみようと思う。
練り込むのには都合の良い面もある。
というのも、一カ月近く湛水を続けていると、もうそれはすごい量の草が生えてくるため、深水高速代掻きを行って浮かすのは良いが、それを畦にすくい上げるのが結構大変。
ちなみに一カ月湛水を続けたら、コナギ水田はこうなる。
んで、深水高速代掻きをして草を浮かすとこうなる。
分かりづらいけど、色が変わっているところは全部浮いた草。
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春先のイネワラ処理に苦労していて、なおかつ除草にも効果のある方法を探している人は一度お試しあれ。
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