2018年 01月 19日
精米歩合1%のお酒について思うこと #440
獺祭の23%がいちばん削っていると思っていたら、なんと1%な!?
僕は、聞いた瞬間にこう思った。
もったいない。
だって99%は捨ててるってことだよ?
酒米と普通のうるち米で作っているお米の種類は違えど、生産している立場からすると、「あんたのお米、99%はいらねーから。」って言われてるのと同じだと思った。
少し感情的に反応していたが、この酒蔵の考えていることを読んでいるうちに、どうもただ奇をてらって取り組んだものではないことが分かってきた。
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僕は日本酒が好きだ。
特に、鳥取・島根県辺りのお酒を好んで飲んでいる。
山陰のお酒にたどり着いたのは二年ほど前。
飲んでいるうちに、このお酒はどんなふうに作られたのだろう、どんな想いで作られたのだろうということに興味を持ち始めた。
数字で表されたスペックが味を決めているわけではないことに、気付き始めたのもその頃だった。
同じ番組で講師として呼ばれた人が「お米をよく削っているものほど、フルーティな香りがして、雑味が少なく飲みやすいお酒が多いのでお勧めです」と語っていた。
僕も大吟醸酒で入った口なので、初めての人には飲みやすいお酒をという点は合っていると思う。
ただ、その説明は一種の誤解を生む可能性がある。
「(お米を)削れば削るほど、おいしい」
という誤解だ。
そういう誤解が、上記の精米歩合1%のお酒を生んだのだと思った。
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サイトを拝見すると、現在の「純米大吟醸のみを醸す蔵」にいたるまでの思考過程が書かれている。
「精米歩合1%」のお酒は、この蔵にとっての「新たな日本酒の可能性」を探るための挑戦だった。
思い込みによる誤解は消えたけど、やっぱりもったいないという気持ちは消えそうにない。
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