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人気店の隣に出店したらこんなことがあった #484

今回は人気店の隣に出店することになり、思わぬ経験をさせてもらった。

それは、行列が出来ることで、自分のお店の前に壁が出来るが、その行列の中の人にこちらの商品に興味を持ってもらうことがあるのだ、ということ。

※行列が出来れば人気店と必ずしも言えないが、表現の簡易さからそう表記しています。


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今回お店の出店場所は、左は焼き鳥屋、右はお菓子屋という立地。

朝市の開始が6時とあったので、6時前に会場に到着すると既にたくさんの人が歩いていて、各お店も営業の真っ最中という感じで、出遅れ感が半端ない。

急いでタープを組み立てて、持ってきた机にお米と雑穀を並べて営業開始。

3月にもなると、もう6時頃はうっすら明るい。前に12月に出店した時は7時くらいにならないと明るくならなかったから随分違う。
来月はもっと早く来よう、と考えていると、ん?目の前に人だかりが出来はじめた。

隣のお菓子屋さんはぜんざいを出している。
しかも、焼き餅付きだ。
この寒い中に温かいぜんざいか食べれるとなると、そりゃ歩いてる人も足を止めるわな。

餅を焼くのは注文を聞いてかららしく、ぜんざいを注文したお客の列が出来始めていた。

僕のお店の前に、だ。


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三人、四人と人が並び始め、ついには八人が並び、僕のお店は完全にその行列でガードされたようになった。

まさに、湘北のゴリが桜木花道に「フンフンフンディフェンス」をくらった時くらいの衝撃が僕を襲った。

人気店の隣に出店したらこんなことがあった #484_b0328796_22272811.jpeg


これだけガードされると、もはやお米を売る隙間が無い。

隣のお菓子屋の親父はそんなことに一切構わず、ひたすら餅を焼いている。
確かに焼き立ての餅を入れたぜんざいは旨そうだが、この行列をどうにかしてくれ。よく見たらこの親父は茂木健一郎に似ている。

階段から人はどんどん降りてきて、お店の前を通るが悲しいかな、茂木健一郎のお店の行列で僕のお店は無いも同然なほど固くガードされている。

茂木健一郎の隣りはお店が無く、あっちに並んでもらえよ、と何度も言おうとしたが思いとどまった。

それはある視線を感じたからだ。


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目の前の行列の中からこちらのお米を見ている人がいる。

しばらく見ていた後に、一緒に来ていた友達に順番をキープしてもらい、タープの中に来られた。
玄米の炊き方を尋ねられて、少量なら白米を炊くのと同じように炊けることを告げると、そのご婦人は玄米を買ってくれた。

なんてこった。

邪魔でしかなかったはずの行列の中に購入見込み客が紛れているなんて。

これはある種、スーパーのレジに並んでて、目の前にある電池やガムをつい買ってしまったっていうあれに近い。

スーパーの商品と違って僕が並べているお米は安くないので、電池やガムのような衝動買いまではいかないだろうが、行列に並んでいる間に僕の商品とプライスカードに書いているコメントを読むには十分な時間があったのは間違いない。

今日の購入優先順位は低い、もしくは買うつもりは無かったとしても、いずれ買いたいと思っていた人が、今回行列の中から買ってくれた方たちだったというとこだ。

そんなこともあるんだなー。

隣の行列は邪魔でしかなかったはずが、こういう面もあるのだと分かっただけ良かった。

来月も出店しよう。そして、もっと早く着くようにしよう。


ちなみに茂木健一郎は六年間出店し続けているという猛者であり、常連店だった。
そのうえ、話してみると気さくな感じで、朝市の一年の流れを教えてくれたりと、とても良い人だった。
あの時文句言ったりしないで良かった。




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by asse_everblue206 | 2018-03-04 11:21 | 仕事

有限会社安達商店 四代目のブログ 米屋で自然栽培農家でフルマラソンランナー。


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