2018年 05月 16日
田植え後から米作りが始まると考えた時に、やっておくこと ♯550
米作りの仕事の始まりはいつでしょうか。
種籾を唐箕選などで選別した時?種籾を水に浸けた時?
どのタイミングから始まりととるかは人によります。
僕は田植え後から、来期の作付の始まりと考えています。
そう考えた時に、やっておくことは稲刈り前の排水と田起こし前の排水です。
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米作りは田植え後から始まる、という意識
ある農家の方が「田植えをするまでに全力を尽くす」と話しているのを聞いたことがあります。
その意味は自分でやってみて初めて納得が出来ました。
その農家の方は肥料と農薬を使わずに稲を育てる、いわゆる自然栽培をされている方でした。
稲が伸び伸びと田んぼで成長するためには、根の生育範囲の確保がかかせません。
そのため、除草剤を使う代わりに、機械や道具を使って草を抜いたり、生やさないような工夫をします。
その工夫の最たるものが、田の均平をとること。
これは僕の経験上からですが、田の均平をとることそのものが抑草になっています。
田の草には発芽時に酸素を必要とするものと、必要としないものがあります。
田にデコボコが無く、どこも同じ水位を維持できれば酸素を必要とする草をほぼ押さえることが出来るようになります。
そんな重要な田の均平をとる作業を行いやすくするために、排水がかかせません。
田植えまでに行う排水は、稲刈り前と田起こし前です。
米作りは田植え後から始まる、という意識を持ち始めてより一層排水の重要さを感じています。
排水の重要性
排水が重要な理由として、田んぼの作土層を荒らさないためです。
稲刈り前に十分に水が抜けていないと、コンバインによる轍が大きくつき、田起こし前に排水が不十分だと、トラクターが沈み耕す深さが安定しません。
コンバインによる轍が大きくつくと、水を抜きにくくなります。
水が抜けないと、いつまでも田を起こせません。しかし起こさなくては、田植えが出来ません。
水溜りがあるような状態で田を起こすと、柔らかいところではトラクターのタイヤがめり込み、さらに水を抜けにくくします。
水が抜けにくい箇所は、秋の稲刈り前にも水が抜けにくく、またコンバインで轍を作り。。。
と悪循環が起こる可能性があります。
田んぼを平らに均すためには、排水もかかせない作業の一つなのです。
おまけ:排水の失敗例
昨年からお借りしている田んぼの排水の失敗例です。
排水が重要と言っているのにも関わらず、排水を失敗しています。
初めてお借りする田んぼでは、実はよく失敗しています。
排水性の程度がよく分からないためです。
地区の田んぼの情報は持ち主や近所の農家さんからお聞きしますが、やはり実際に作付してみないと分からないことが多いです。
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