2018年 06月 03日
堆肥を使わない自然栽培をしているからこそ考えること 堆肥を生まない生活を目指す #568
稲を自然栽培で育てる場合、動物性・植物性を問わず堆肥を養分供給を目的として使いません。
堆肥を使わないと決めた以上、堆肥を生まない生活を目指したいと感じています。
広い田んぼだと、うっかり水を入れすぎると抜くのにも時間がかかります。
※自然栽培とは、肥料と農薬に頼らず植物と土の本来持つ力を引き出す農業のことです。
ここでいう肥料は、化学肥料、堆肥(動物性・植物性問わず)など外部から人為的に養分供給を目的に施されるもの。農薬は、殺虫剤、殺菌剤、除草剤など。
ツバメの巣に対する責任の所在
毎年五月の下旬から六月にかけて、ツバメは巣を作りに当店にもやってきます。
当店はツバメに巣を作る場所を提供(?)していますが、こちらが想定している場所に必ずしも作ってくれるわけではありません。
作ってほしくない場所はシャッターの内側など、家の中です。
今年もシャッターの内側に作ろうとしていたので、壁に土を付けるたびに父が払い落としていました。
作らせてやればいいのにと思うのですが、ツバメの糞の掃除は誰がするのか、シャッターの朝晩の開け閉めは誰がするのか。
自分で面倒を見れない以上は、勝手なことは言えないのです。
堆肥はどこから生まれるのか
肥料の中には堆肥が含まれます。
堆肥とは、有機物を微生物によって完全に分解した肥料のことです。
植物系残渣を堆積させて発酵させたものが昔ながらの堆肥ですが、一般的にイメージするのは家畜ふんの動物性の堆肥かと思います。
使用するふんは、主に牛・豚・鶏のものです。
伝統的な堆肥化は、家畜のふんと稲わらなどを混ぜて野積みし、切り返しを行いながらゆっくりと堆肥に変えていくものでした。
ただ、畜産が大規模化したことでゆっくりと堆肥化するには間に合わなくなっているのが近年の現状です。
堆肥としては未熟なもの(臭いがあるもの)を使うと様々な問題を引き起こすことになりうるとされています。
堆肥を生まない生活を目指す
堆肥を使わないと決めたのであれば、堆肥を生まない生活を目指す必要を感じています。
では、牛・豚・鶏を食べないのかと問われれば、正直そんなことは無理です。
牛・鶏・鶏は大好きな食べ物の一つですので。
食べることを止めるのは難しいですが、選ぶことは出来そうです。
例えば、牛乳。
岩手県に中洞(なかほら)牧場という会社があります。
そこは乳牛を完全に放牧させています。
山地(やまち)酪農という手法で、平野ではなく急斜面もある山で放牧されています。
サイトの写真で見る限り、本当に山です。
牛舎がないので、牛はいつも野山で暮らしています。
ここでは牛のふんは全く問題にならないそうです。
なぜなら、広い土地に放されているため、ふんは一箇所に堆積することはなく、また野芝や野草の肥料となり自然に消えていくそうです。
牛の食べ物は地面に生えている野芝や野草。
つまり海外からの輸入作物も必要はありません。
※海外から家畜のえさとして作物を輸入すれば、その輸入先の国で資源が減ります。ならば日本で出た家畜ふんはその輸入した国に返せば良いと思うのですが、そうは出来ないため日本でどうにかこうにかしている現状なのです。
岡山県の近くでは、島根県にも木次乳業という国産の飼料を使って牛乳を搾っている会社があります。
近くのスーパーで買えることもあり、牛乳を買うときは木次の牛乳を選ぶようにしています。
(ちなみに、新見のフレスタでは買うことができます)
堆肥のことを考えると、家畜が食べる餌のことまで考える必要があり、国産飼料または放牧で育てられた牛・豚・鶏は全体で見れば極わずかです。
ですが、探せば牛乳、肉、卵などはあります。
あとは買えるかどうかです。
普段スーパーで買うものと比べれば価格は全く異なりますが、個人的な考えでは、それが正規の価格ではないかと感じています。
(牛乳1リットルが、コンビニのペットボトルの水500ml2本より安いのはおかしいと思っています。)
牛・豚・豚を全く食べないことは現実的ではないですし、食材を毎回選ぶことも難しいです。
それでも、少しずつ出来るところから始めていこうと思っています。
参考リンク:中洞牧場、木次乳業
29年産 自然栽培米 発売中
・朝日・きぬむすめ・にこまる
http://komeya4th.exblog.jp/28032771/
有限会社 安達商店 ホームページ
http://www.adachishoten.com/
ご感想・お問い合わせ
adati577@lime.ocn.ne.jp