2018年 11月 10日
冬の田んぼ仕事 四隅の藁を散らしておきます
稲刈り後の冬の仕事として、一か所にたまった藁を散らしています。
田んぼの四隅に山のようになったままだと、稲藁の風化が進まないためです。
今年は収量のわりに稲藁が多いような
30年産の稲刈りが全て終わりました。
今年は昨年に比べて大幅に減収してしまいました。その原因はこれから考えることにして、冬の仕事の一つとして行っている、四隅の稲藁の手入れを行います。
収量が無いのですが、稲わらは多い印象です。
減収の理由として、殻の籾が多かったのもありますが、体だけ大きい稲に育ったということでしょうか。
田んぼの四隅のへり刈りによる藁の山
コンバインという稲刈りするための機械があります。
この機械を使うと、通常田んぼの四隅を刈ることができないため、人が予め刈っておきます。
それを「へり刈り」と呼んでいます。
へり刈りは、一株ごとの「手刈り」なので、刈った後に脱穀をする必要があります。
一通りコンバインで稲を刈り終えた後に、ヘリ刈りをした株をコンバインで脱穀していきます。
その時、コンバインは田んぼの四隅に止める、または畦に沿って少し前進させながら行うため、四隅に藁が山のように積もります。
この藁は春先まで放っておくと、山の上部は日を浴び、雨風にさらされながら少しずつ朽ちていきますが、下部のほうは刈取り後の藁のままほとんど分解が進んでいないことがあります。
そうすると、その後の田植え、除草作業に支障が起こり、稲の生育にも影響が出かねません。
田んぼの四隅の稲藁の山は稲刈り後、なるべく早めに崩しておくほうが良いです。
冬に田を起こさないからこそ、藁を散らしておく
私がやっている稲作りでは、冬に田を起こしません。そのため、稲藁は放っておけば春先になっても山のまま残っています。
ほぼ同じ場所で脱穀した場合、このように稲藁が山のようになります。
山の上部は乾燥と湿潤を繰り返して少しずつ分解が進んでいきます。山の下部は地面からの湿気により常に湿ったままです。
乾燥させてやるために散らしておくのです。
予め稲株の根元から刈っているため、当然その場所をコンバインが通過しても稲藁は落ちません。そういった場所に熊手などを使って万遍なく散らしておきます。
この田んぼで言えば、左手の小屋付近に散らしました。(乾きにくく、コンバインがはまらないように避けて通すため、広い範囲でへり刈りを行った箇所です)
乾燥と湿潤を繰り返した稲藁は春先には、灰色に近い色になり、手でかるく捻ればちぎれるほど脆くなります。一方、山の下部の稲藁はまだ黄色っぽい色をしており、指で簡単にちぎれません。
来年の春、田を起こし、水を入れた時に速やかに分解が進んでくれるように、冬の間にやっておきたい仕事です。
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