2019年 01月 02日
「まずはお手本」が嫌な子供と、必要な大人
幼い子供たちに日々接していると、泣くときのパターンがあります。
それは、まずやらしてもらえない時です。
けん玉をやりたい子供と手本を見せたい大人
お正月は毎年家族がみんな集まります。
弟夫婦もやってきて、それぞれ子どもたちが退屈しないようにおもちゃを持ってきます。
いくつかあるおもちゃの中で、甥っ子がけん玉で遊ぼうとしていると、弟がおもむろにそれを取り上げました。
突然泣き出す甥っ子くん。
弟はまず自分が手本を見せようと、けん玉を取り上げたのですが、甥っ子くんにはその意図が伝わらず、ただただ取り上げられたと感じたと思われギャン泣き状態に。
甥っ子くんはとにかくまず自分でやりたかったのです。
弟は手本を見せるまで至らず、甥っ子くんに返してその場の沈静化に成功していました。
手本を見せてもらうことの重要性
幼い子供にとって、大人のまずは手本を見せたいという態度は実はあまり必要なく、ひとまず自分でとにかくやりたいのだな、という印象を受けます。
子供はトライ&エラーを繰り返すことで物事を習得していきます。
そして、大人との最大の違いは、一つのことにコミットする時間を大人より遥かに長く取れるところにあり、そのため大人の手本よりも自分で何度も繰り返し習得する道を選びます。
一方大人はというと、日に同じことを何度も失敗し、また何年もかかって習得するということは時間的にも、経済的にも効率が良くなく、一から試行錯誤する余裕は無いことのほうが多いのが現状ではないでしょうか。
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僕は実家に帰ってきてまずやったことは、社長である父親から精米機の使い方を習いました。
基本的に業務用の精米機は一度で精米出来るタイプのもので、ほぼ自動で精米が出来ます。
ただ、そのお店ならではの「米の白度」の加減は手動によるところがあります。
この「米の白度」、白く搗きすぎても旨味が無くなるし、逆に搗かなすぎても具合が良くないというもの。
搗かなすぎた場合は、分づきのようになり、炊きあがりに少し黄色っぽく見えたり、洗米の仕方と炊飯器によっては糠分が底で焦げ付く原因になったりもする。
そうでなくても、業務用は保温時間を長めに取ることが多く、歩留まりを気にするため、初めから黄色っぽい、底が毎回焦げて使えないなんてことになれば即クレーム。
一般の家庭では特に問題にすることでなくても、業務用の場合は少々扱いずらいお米であることが多い。
例えばその精米機の扱い方を誰にも習わず、自分で始めるとすれば、まずはある程度の失敗とクレームを受けながら少しずつ改善していくことが必要な過程だ。
試行錯誤に何度も付き合ってくれるお得意先ならいいが、大抵の場合そんな余裕のあるところは少なく、信用を築く前に打ち切りになる可能性が高い。
物事の修練における順番として、正常な手本とは基本を身につけるためには必須である。
手本が近くになければ本に頼る
米の精米に関しては今もまだ修行中であり、父親の手本を参考にしていますが、米作りにおいては独学でする他ありませんでした。
農薬だけでなく、肥料も使わない米作りは地域でもやっている人はおらず、これはまず本を頼りにし、その後様々な研修会・勉強会に参加し様々な手本を見てきました。
それは今も継続しています。
手本を見てから自分のものにするためには、そこからの試行錯誤も必用になりますが、まず機械の操作方法やコツなどちょっとしたことを即座に理解するためにはお手本は重要です。
米作りは一年に一回しか出来ないので、お手本を見ることは本当に重要です。
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