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「面倒くさい」が生産性向上に役立つ



ローソンの店員さんの一言がずっと気になっていたのですが、先日初めてセルフレジを使ったことで分かったことがあります。


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※スーパーに設置されたセルフレジ


コンビニ店員の一言とセルフレジ初体験


突然ですが、僕はローソンのカフェラテが好きでよく買っています。

先日、お米の配達終わりに立ち寄った時、いつもならレジの店員さんが淹れてくれるところを、そこはカップだけを渡されたのです。

あれっ?と戸惑っていると、店員さんが「セルフでお願いします」と一言。

前々からそのお店には入り口近くにセルフ用の機械が置いてあったのは知っていたけど、突然のサービス変更にたじろいでしまった。

見るとカウンター中の機械がなるほど無くなっている。

他のコンビニ同様、ついにローソンもセルフになったかと少し寂しさを覚えた。


また別の日、別の店舗にてカフェラテを注文すると、今度は以前通り「お待たせしましたー」と淹れて手渡ししてくれた。

あれっ?と疑問に思って店員さんに聞くと、どうやら全ての店舗が一斉に変わるわけではないようだった。

ここにはセルフ用の機械はまだ設置されていなかった。

ローソンもとうとうセルフ(でコーヒーを淹れること)になるんですね、と話すと

「そうなんですよ。正直(お客が)多いときはかなり手間でしたからね。時間もかかるし。」

とざっくばらんに本音を聞かせてくれた。

そうか。実は面倒だったのか。


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話変わって、スーパーのセルフレジを先日初体験してきました。

店員さんがいる普通のレジには行列が出来ている一方で、セルフレジはがらがら。
僕は商品を一つ買いたいだけなのに、行列に並ぶことに辟易していた。
そこで、ものは試しにとセルフレジを使ってみた。

一瞬で清算が終了。およそ一分。

優れた技術及び製品とは、それが無い時代には戻れないものをいう、とかなんとか聞いたことがある。

これまでレジ待ちというなんと無駄な時間を過ごしていたことか、これまでレジ打ちが早い店員ならまだしも、遅い店員に当たった日には一日が終わった感を何度味わわされていたことか。

そのいずれも、自分でやるだけで一挙に解決。

そう、自分でやればいいんだと、気付かせてもらえた。

早く地元の同系列のスーパーにもセルフレジが出来ないだろうかと思いを馳せた。



面倒くさい仕事を機械に置き換える意味


ローソンではカフェラテを淹れるのが面倒だという店員がいる。

ふと思ったけど、その一言って「コーヒーを淹れる仕事は機械がやってくれるので、私は必要ありません」と同義である。

コーヒーを淹れるという仕事だけではなくて、上記のセルフレジのように店員そのものがいらない時代が近づいている中で、単に面倒な仕事が減ったぜラッキーと考えるだけではなく、それはいずれ自分の仕事が無くなるのではと同時に考えておかなければならない。


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面倒くさいと思っているかどうかは別として、農業機械にも改革の波が到来している。

自動運転技術、だ。

最近はテレビドラマでも放送され話題になっている。
下町ロケットのゴースト編・ヤタガラス編をまだ見ていない人はぜひ見てみて。

よくよく考えてみればそうだなという思いがある。

田んぼを耕すのにトラクターに二時間も三時間も乗っている必要はないし、稲を刈るのにコンバインの運転席で粉塵に苦しむ必要もない。

もし、農作業機械の自動運転が当たり前の世界に生まれていたら、きっと当たり前のように使っていたのだろうと思う。

馬や牛ではなく、トラクターが当たり前の時代に生まれたから、トラクターを使って田を耕しているように。

人がその作業に関わらず、ちゃんと耕してくれる、もれなく刈ってくれるのであれば、人はその時間を別のことに使うことが出来る。

自動運転技術の採用による農作業の生産性向上はいかほどのものだろうか。



人がいないから効率化しているのではなく、面倒だから効率化


一つの疑問にぶち当たる。

ローソンの一店舗にピーク時にも十分対応できるほどの人員がいれば、今でもコーヒーを淹れてくれるのだろうか。

スーパーの清算の仕事も、今の倍以上のレジ台数、レジ担当者の確保が出来ればセルフレジを置く必要はないのだろうか。

農作業機械の自動運転技術は、農業人口が増えれば不要の産物になるのだろうか。


そもそも作業の効率化はその作業を担当する人が減少するから生まれるものなのだろうか。


僕は、そうではないんじゃないかと思っています。

自分の仕事だから言えることですが、例えトラクターが自分で田んぼに行き、田を起こし、作業後に倉庫に自動で帰ってくるとしても、その間ローソンで渡されたカップにカフェラテを淹れて飲んでいる暇はありません。


生産性は常に意識しておくべきものです。

毎日朝から晩までかかっていた農作業を、せめて定時上がりに出来るくらいの効率化が図られれば、むしろ今より農業人口は増えるかもしれない。


実は「面倒くさい」とは、生産性向上にいちばん必要な考え方かもしれないと、ローソンの店員さんに教えてもらったのであった。






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