2019年 01月 23日
93から100に近づける作業は時間がかかる 大豆の選別はきりがないという話
豆の選別作業を手作業でする場合はある程度の所で止めています。
ある程度をどのように考えるか、です。
大豆には青いものもあります
今回選別したものは青大豆です。
青大豆とはちょっと緑がかった大豆のこと。
普通想像する大豆は節分などで見かける豆、白大豆ですね。
青い(緑っぽい)ですが、普通の大豆と同じようにして食べることが出来ます。
煮豆はもちろん、味噌の原料や豆腐にも。
うちは毎年この青大豆を茹でたもので味噌を仕込みます。
豆の品種にもよると思いますが、白大豆よりも甘さを感じやすいのが特徴。
青大豆の存在は知っていたのですが、見た目の色からおいしそうに見えずに、最近まで食べず嫌いでした、実は。
その旨さを知ってからは、現金なもので白大豆にこだわらなくなりました。
93から100にはしない
さて、青大豆をはじめ大豆の収穫後にはどんな作業があるのでしょうか。
まず、収穫後には天日を利用して『乾燥』、その後『脱穀』、『唐箕にかけて風選』、『篩にかけて大小の選別』、『手選別』と来て『計量』、『販売』と続きます。
手作業または道具作業の工程はそんな感じです。
現在は『篩にかけて大小の選別』まで済んでいるので、次の『手選別』の段階。
風選や篩にかけることで、枯れた葉や小さな粒は取れていますが、まだしわくちゃな粒、色の薄い(白い)粒などが残っています。
それらが今年は一割~二割ほど残っているので、手作業で取り除いていきます。
手で取り除くこと15分。
ぱっと見て93%ほどの選別具合に仕上げます。
よーく見ると楕円の粒、しわが少しある粒などが見えますが、これらを取り除こうとすると、実はそれまでの時間と同じくらいかもっとかかるのである。
『篩にかけて大小の選別』を終えた時点で75%ぐらいまで選別は出来ていて、そこから手選別で93%まで上げるわけですが、そこから更に選別精度を上げようとするととっても大変なんです。
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玄米をはじめ、小麦、大麦、大豆などを国内で流通させるためには、農産物検査法という法律にのっとり、農産物検査を受ける必要があります。
例えば大豆の品位検査には一等・二等・三等、そして規格外という四項目があり、検査をしいずれかの等級を決めます。
等級を決める判断材料として、その中に『被害粒、未熟粒、異種穀粒及び異物』という項目の最高限度が示されていて、全体の15%以内ならオッケーという決まりがある。
これは程度の問題で、半分くらい虫にくわれて欠けている粒が15%も含まれていたら一発アウト。
上記の項目は細分化されていて、大きく欠損しているような粒を表す『著しい被害粒等』は1%以内。玄米や小麦などの『異種穀粒』は0%、小石などの『異物』は0%とそれぞれ決められている。
『著しい被害粒』とはこんな感じの粒。
『被害粒、未熟粒、異種穀粒及び異物』とは、大きく欠けていない、やや偏平な、少し紫色が付いている、少ししわが寄っている・めくれているなどの軽傷の粒たちのことを指す。
こういう粒たちのことを指します。
この程度の粒が15%までなら混ざっていても一等をあげるよ、と言っているのである。
問題はここから。
それらの粒が15%未満であれば、品位検査で一等がもらえるのだけど、実際に平らに並べて上から見てみると、んー?となる。
たぶん、お店に並んでいる商品はもっと選別されていることと思う。
農産物検査では一等だから、と言っても「お宅、手を抜いてますなー」と言われかねない。
実際買う立場になれば、極力良い粒がそろっていたほうがいい、となりもう少し丁寧に選別する必要が出てくる。
そのため、全体の90%以上が良い粒になるように、少しだけ選別の精度をあげております。
そして、90%から100%に近づけるとなると、もちろん取り除いた分の豆は減り、精度をあげるための労力に見合う分だけ価格を上げざるを得ないため、そこまで選別はしない、というよりただ力尽きるといったほうが正確かも。
93%でいいのか、93%がいいのか
日常的な家事である程度と言えば、どの程度だろうか。
僕の担当は、洗濯物干し、風呂洗い、日曜日のご飯。
これだけなので、100%を目指していつもやっているが、朝の短い時間の中でサッサとやり切るには、やはり完璧にできないこともある。
特に早朝ランニングから帰ってきた日は時間が無い。
時間が無いから出来ないのではなく、無い中でも出来るだけ行う。それが大事だと思っています。
まあ93%も出来ていれば、ほぼ完璧に違いないので、実際は8割くらいがいいとこかも。
たまには、洗い終えたはずのフライパンに少し汚れが残っていてもいいではないか。
いや、駄目か。
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