2019年 04月 28日
水田へ裸足で入ることのメリット・デメリット
水を張った田んぼへ入る時、一般的には「田植え靴」という膝まである長靴を履いて入ります。
普通の長靴と違う点は、ぬかるむ田んぼでも歩きやすく脱げにくく作られているところ。(ちなみに普通の長靴で入ると、すぐに身動きが取れなくなります。)
また、足を怪我するリスクを最大限に小さくするために、長靴は必需品とも言えます。
一方、その真反対にある行為が裸足で入るということ。
今回は田んぼに裸足で入ることについて考えてみたいと思います。
※免責事項
以下の記事は、自然栽培(無肥料・無農薬)田において自身の経験のもと書いていており、あくまで個人の見解です。自然栽培転換一年目を含め、慣行栽培及び特別栽培田など、微量から通常量まで肥料・農薬を使用する田んぼにおいては、その限りではありません。
また、そういった田んぼでは僕は必ず田植え靴を着用します。
苗代作りに裸足で田んぼへ入る
「裸足で田んぼに入る」と聞いて、どんなことを感じるでしょうか。
僕は実際に自分が入ってみるまでは裸足で作業をしている人を見て、よくやるな、と思っていました。
というのも、田んぼの中は何があるか分からないし、怪我のリスク、虫に噛まれるなど、デメリットしか感じていなかったからです。
そんな僕が田んぼに裸足で入り始めたのは、昨年の7月前半。
田植え靴に穴が開き、履いていて気持ちがわるい、でもすぐに新しい長靴を買いに行く時間がない、その間作業が止まるし草は待ってはくれない、それならと思い裸足で除草作業をやってみたのがきっかけでした。
以前に「裸足で入ると、熱中症になりにくいのでは」と書かれた記事を読んだこともあり、ものは試しにと思ったのです。
4月28日、今年は苗代の整地作業及び苗箱の搬入も、裸足で田んぼへ入り行いました。
まだ水温が15度くらいなので冷たいかなと思い、どうしようかと迷ったけど、まあいいいかと裸足になるも作業をしているとさほど冷たさは気にならず。
むしろ、苗箱を運ぶ際に足を取られないから運びやすいし、余計な力がいらないから疲れにくいことが分かり、裸足っていいなと再確認。
手伝ってもらった父は田植え靴で入っており、やはり歩きにくそうでした。
僕は裸足で入ることにメリットを大きく感じているので、裸足で入っていますが、デメリットも理解しておく必要性があります。
田んぼへ裸足で入ることのメリット・デメリット
田んぼへ裸足で入ることは良いことがありますが、デメリットもあります。
どちらも理解しておく必要があります。
裸足で入ることのメリット
・田んぼの土の温度が肌でわかる。
裸足で入ると、水温はもちろん、田んぼの土の温度も分かります。足を入れて土の底にいくにつれてヒヤッとした感触は、裸足で田んぼに入ったことがある人はお分かりですね。余談ですが、土の底に近づくにつれてヒヤッとする場合は、水の縦浸透がうまく出来ていない可能性があります。要は土の練りすぎです。もう少し粗めに代かきを行う必要があるな、と気づけます。これが田植え靴だと、よく分かりません。・熱中症になりにくい可能性がある。
夏場とはいえ水の中に入るのになぜかとても暑い。理由は、水温が高いからではなく、長靴の中が蒸れて熱の排気が出来ないことにあります。その結果体温が上昇し熱中症になりやすいのではないでしょうか。実際、裸足で入ると暑いのは暑いのですが、体に熱がこもらず足から田んぼへ抜けていくような感覚があります。・歩きやすい。
田植え靴であっても土の深さや粘度によっては歩きづらい場合があります。しかし、裸足だと歩くときにほとんど抵抗無く歩くことができ、結果体力の節約になります。・とにかく気持ちがいい。
始めはヌルッとした土の感触に、ウエェェェ、と叫びたくなるかもしれませんが、慣れてしまえば田植え靴を履くより断然気持ちがいいです。裸足で入ることのデメリット
・足を怪我するリスクが高まる。
足を覆うものがないのでとがった石、ガラス片などによる足の怪我のリスクが高まります。どれだけきれいに取り除いてある田んぼでも、陶器の欠片などがある場合があります。気付いた時には怪我をしている場合がほとんどです。・虫からの害を受けやすい。
ヒルにかまれる、蚊やブト(ブヨ)にかまれるリスクが高まります。田植え靴であれば、膝まで覆われていますが、裸足では膝下ふくらはぎ部分がむき出し状態。ブトにかまれるリスクはは日が落ちると一気に高まります。そのため、日が沈めば田んぼから上がり、身を覆う方がよいです。・足の爪が変色する。
三ヶ月ほどで完全にきれいになりますが、それまではずっと足の爪が赤茶色のまま。除草期間は6月から7月にかけて一ヶ月ちょいくらいで、毎日3時間くらい入り続けるとそうなります。でも足はすべすべ。夏にビーチで足の爪を気にする場合はちょっと避けたいかもしれない。万人にはお勧めできないけど、それでも
真夏の炎天下の除草作業では、あまりの暑さに気分が悪くなることが時々ありました。気持ち悪くなり、寝転がるとしばらく立ち上がれなかったことがあり、それは熱中症の一歩手前だったと思う。
しかし、昨年は裸足で入ったことが功を奏したのかはまだ判断が難しいですが、明らかに田植え靴を履いていた時の暑さとは違いました。
暑いのは暑い。むちゃくちゃ暑いんだけど、上半身の熱が下半身を通り、足から田んぼへと抜けていく感覚。その結果、体に熱がこもらないのでバテにくかったのではと考えています。
真夏の炎天下での作業は、現代では禁止レベル。そうはいっても、天候と時間と除草のタイミングによってはせざるをえないことがあります。
そんな時も、裸足なら大丈夫と思えることが今は少しの安心感につながっています。
万人には決しておすすめはできません。
でも、一度裸足で入ってみると、その気持ちよさや作業のしやすさ、あと暑さ対策として有効だと感じてもらえることは間違いないです。
夏の昼にどうしても除草作業に入る必要がある時には、一度田植え靴を脱いで裸足で入ってみても良いかもしれません。
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